なんとか的なんとか性

ブログやるやる詐欺から5年目

さんぽ的ぐうぜん性

 偶然に身をゆだねると、意識していない感覚に切り替わることに気づく。ランダム散歩にはゲーム要素という面白さだけでなく、普段気づかないことに気づくという面白さがある。

 さんぽ神というカードゲームをプレイした。このカードは「どこで」と「なにを」の種類にカードが分かれており、ランダムに引いたそれらのカードに書かれた内容(おつげ)を実行するというランダムな散歩のためのゲームで、自分たちはどこに行くのか、何をするのかわからない点がおもしろい。

さんぽ神

 例えば「南に向かって歩き」と「カッコイイ漢字を探す」というカードを引き、日比谷ミッドタウンにたどり着いたとする。しかしカッコイイ漢字を探そうとするとアルファベットばかり目につき、漢字を探すためには日本や中国に関連した飲食店や、道端の注意喚起の看板などを探さなくてはいけないことに気付く。そして、そもそもカッコイイ漢字とは何かの要素は、ほとんどがフォントによるものだということも分かってくる。普段意識しないことへ意識を向けることで、一つの情報として得ているに過ぎないものから二つも三つも情報を得ることになる。

カッコイイ漢字 中国飯店の「飯」

 このゲーム魅力は、偶然性に身をゆだね、たどり着いた場所を楽しむことにある。たいていの場合、目黒におしゃれな家具を買いに行こうとか予定を立てて行く(そんなことしたことない)わけだが、やることがカードによって偶然にもたらされることで新しい視点で街歩きを楽しむことができるわけだ。

 個人的には日常の中に気付きを得る体験は坐禅に似ていると思った。坐禅は呼吸のみに意識を向け、自分の身体に与えられる感覚に意識を向けようとし、自分の身体的な存在を感じ取ろうとする。ランダム散歩は日常的に受け流しているはずの情報に意識を向けることで、坐禅のように世界を新しく感じ取ることができるのかもしれない。

30分歩いて、かわいい動物の絵を探そう 
でたどりついた東京タワーのふもとたこ焼き屋